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二日酔いのまま運転して逮捕された場合に問われる罪を解説

2023年01月31日
  • 交通事故・交通違反
  • 二日酔い
  • 運転
二日酔いのまま運転して逮捕された場合に問われる罪を解説

埼玉県警察のホームページでは事件・事故の情報や注意喚起が掲載されています。令和4年11月には「飲酒運転事故の連続発生」と題して、戸田市・蕨市における酒気帯び運転事故について、2件とも運転手を現行犯逮捕した旨の情報が掲載されました。アルコールの分解には時間がかかるので、特に飲酒の機会が増えるシーズンは、体内にアルコールが残っている状態で車を運転することがないように注意を促す内容です。

「自分は飲酒運転なんてしない」と考えている方は多くおられるでしょう。しかし、身体にアルコールが残っている「二日酔い」の状態で車を運転した場合にも、飲酒運転として摘発されて、逮捕される可能性があります。

本コラムでは、二日酔いの状態で車を運転した場合に飲酒運転となるかどうか、摘発され場合に問われる罪や逮捕の危険性、行政上の責任、などについて、ベリーベスト法律事務所 川越オフィスの弁護士が解説します。

1、飲酒から時間がたっていても「二日酔い」は飲酒運転になる?

お酒を飲み過ぎてしまったり、体調が良くないのに飲み会への参加を断れなかったりして無理にお酒を飲む羽目になったりしたことが原因で、翌日に「二日酔い」でつらい思いをした経験をもつ方は多いでしょう。

二日酔い状態であっても、翌日の通勤や仕事上の都合などで車を運転することになる場合もあるかもしれません。
しかし、「少々身体がきつくても、飲酒から時間がたっているし大丈夫だろう」などと考えて運転してしまうと、飲酒運転として摘発されるおそれがあるのです

  1. (1)「二日酔い」とはどんな状態なのか?

    お酒に含まれるアルコールは、身体の中で肝臓のはたらきによって分解されますが、分解能力を超えると血中の有害物質の濃度が高まってしまい、吐き気・頭痛・動悸(どうき)などを引き起こします。
    この状態が、お酒を飲んだ次の日にも継続していることを「二日酔い」と呼びます。

    アルコールの分解能力には個人差があるため、同じ量のお酒を飲んだ時にも、二日酔いに陥る人もいれば、完全に分解されてまったく影響が出ない人もいます。
    ただし、二日酔いの症状が出なくても体内にアルコールが残留している可能性があるため、症状の有無だけで「アルコールは残留していない」と判断することはできません

  2. (2)飲酒運転の考え方|酒気帯び運転と酒酔い運転

    お酒を飲んだあとで車やバイクなどを運転する行為は「飲酒運転」と呼ばれます。

    道路交通法第65条1項は、すべての運転者について「酒気を帯びて車両等を運転してはならない」と規定されています。
    条文では「お酒を飲んで」といった表現は使われておらず、「酒気を帯びて」と明示されている点に注意してください。
    条文では、飲料としての「酒」に限定する表記やアルコール濃度に関する定めがないので、種類や量を問わず、身体にアルコールを保有している状態での運転はすべて禁止している、と解釈されるのです。

    二日酔いも、アルコールを保有している状態の場合、その状態で運転すれば「酒気を帯びた運転」となります
    また、道路交通法では飲酒運転は全面的に禁止しています。

    • 酒気帯び運転(道路交通法第65条1項・同第117条の2の2第1項3号・道路交通法施行令第44条の3)
      身体に血液1ミリリットルにつき0.3ミリグラム、または呼気1リットルにつき0.15ミリグラムのアルコールを保有した状態で車両を運転すると、「酒気帯び運転」として検挙される可能性があります。
      交通取り締まりや検問などでは、道路交通法施行令第26条の2の2による規定に従って「呼気検査」が実施されています。
      基本的には、「呼気1リットルにつき0.15ミリグラム以上」のアルコールが検出された場合には、酒気帯び運転として扱われます。

      なお、アルコールが検出されたものの基準値以下だった場合は、酒気帯び運転として検挙されることはありません。
      ただし、道路交通法第65条1項は基準値にかかわらずすべての酒気帯び運転を禁止しているので、たとえ基準値以下だったとしても、運転することは止めましょう

    • 酒酔い運転(道路交通法第65条1項・同第117条の2第1項)
      身体に保有するアルコールの量や濃度を問わず、酒に酔った状態で車両を運転すると「酒酔い運転」です。

      ここでいう「酒に酔った状態」とは、アルコールの影響によって正常な運転ができないおそれがある状態を指します
      たとえば、呼気検査では基準値に満たない程度のアルコールしか検出されなくても、ろれつが回らない、足元がふらふらして直立できない、まっすぐ歩けない、時計をみても時間を読めないなどの状態であれば、「酒に酔っている」と判断されるでしょう。

2、酒気帯び運転をした場合の刑事責任と行政上の責任

前日の飲酒からある程度の時間が経過しており、自分では「平気だ」と感じていても、二日酔い状態の運転は危険です
呼気検査を受ければ基準値以上のアルコールが検出され、酒気帯び運転として検挙されるおそれがあります。

以下では、酒気帯び運転として検挙された場合に追及される、刑事責任と行政上の責任について解説します。

  1. (1)酒気帯び運転における刑事責任

    酒気帯び運転は、法律に照らすと「道路交通法違反」です。
    いわゆる交通違反のひとつですが、一時停止違反やシートベルト不装着とは異なり、酒気帯び運転はいわゆる「赤切符」で処理され、反則金の支払いで刑事手続きを回避できる「交通反則通告制度」の対象外となります。
    つまり、窃盗や暴行などの犯罪と同じように刑事事件として処理されることになるのです。
    刑事裁判で有罪判決が言い渡された場合には、刑罰が科せられることになります。

    酒気帯び運転に対する罰則は3年以下の懲役または50万円以下の罰金です。
    また、酒酔い運転に対する罰則は5年以下の懲役または100万円以下の罰金となります。

  2. (2)酒気帯び運転における行政責任

    酒気帯び運転は交通違反なので、刑事罰とは別に「違反点数」が加算されます。

    酒気帯び運転の違反点数は、呼気1リットルあたりで検出されたアルコールの量で変わります。

    • 0.15ミリグラム以上0.25ミリグラム未満の場合:13点
    • 0.25ミリグラム以上:25点


    たとえば、酒気帯び運転の時点における違反点数の累積が0点で、過去に免許停止などの処分を受けた経歴がなかったとしても、13点が加算されると90日の免許停止となります
    いわゆる「一発免停」です。
    また、25点の加算を受けた場合には、免許が取り消されたうえで、2年間は新たに免許交付を受けることもできなくなります。

    なお、酒気帯び運転の車に同乗していた人は、自分がハンドルを握っていなくても「飲酒同乗罪」となります。
    道路交通法第117条の3の2第3号の規定によって2年以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。

3、二日酔いで車を運転したら逮捕されるのか?

二日酔い状態で車を運転して逮捕された事例は、全国でもたびたび発生しています。
以下では、二日酔いで車を運転した場合に逮捕される可能性や、逮捕された後の刑事手続の流れについて解説します。

  1. (1)悪質なケースでは逮捕される危険が高い

    飲酒運転は、交通死亡事故につながりやすい、危険な違反です。
    重い刑罰が科せられるだけでなく、任意の在宅捜査では逃亡や証拠隠滅を図るおそれが高いと判断されて、逮捕される可能性がある犯罪でもあります。

    特に、検出されたアルコールが基準値を大きく上回る、別の違反や事故に絡んでいる、免許証の提示を拒否するなどの事情がある場合には、逮捕される可能性が高くなるでしょう

  2. (2)逮捕されるとどうなるのか?刑事手続きの流れ

    警察に逮捕されると、直ちに警察署へと連行されて、取り調べを受けることになります。
    警察の持ち時間は48時間以内なので、この期間は自宅へ帰ることも、仕事や学校に行くことも許されません。

    通常の刑事事件では、ここからさらに検察官へと送致され、検察官の段階でも24時間以内の身柄拘束を受けます。
    さらに、検察官が勾留を請求して裁判官が許可すると最長で20日間の身柄拘束が続くので、逮捕から数えると最大で23日間の身柄拘束を受ける可能性があるのです。

    ただし、酒気帯び運転の捜査には、体内に保有するアルコールの数値という客観的な証拠が確保されており、身柄拘束を続ける必要性も低いという特徴があります
    客観的な証拠が確保されているのに否認している、飲酒運転としりつつ同乗していた者や酒類・車両を提供した者がいる疑いが強い、事故を起こして負傷者が存在するといった事情がなければ、釈放される可能性が高いでしょう。

  3. (3)飲酒運転が発覚しても必ず逮捕されるわけではない

    そもそも「逮捕」とは、犯罪の疑いがある者の逃亡や証拠隠滅を防ぎ、正しい刑事手続を受けさせるために身柄を拘束する強制処分のひとつです。
    したがって、素直に捜査に応じる姿勢であったり、家庭や仕事もあるような場合には、逃亡や証拠隠滅の可能性は低いと判断され、逮捕の可能性は低くなります。

    特に二日酔いで運転したといった事例では、本人にも悪意がなかったり、時間がたっていてアルコールが検知されるなど思ってもいなかったりする場合が大半です。
    包み隠さず状況を説明すれば、逮捕を避けて、在宅捜査で処理される可能性を高められます

4、二日酔い運転で逮捕された場合は弁護士に相談

もし二日酔い運転で逮捕されてしまった場合は、直ちに弁護士に連絡してください。
以下では、逮捕された場合に弁護士に相談すべき理由を解説します。

  1. (1)早期釈放を目指した弁護活動が期待できる

    「酒気帯び」による運転はすべて禁止されている以上、二日酔いであっても、身体からアルコールが検出されているなら、飲酒運転として検挙されることは避けられません。
    しかし、「身柄拘束を続ける必要はない」と主張することはできます。

    逮捕直後の72時間は、たとえ家族であっても本人との面会は許されませんが、弁護士だけは制限なく面会できます
    弁護士が素早く接見して状況を聴き取り、どのような供述をするべきなのかをアドバイスすることで、身柄拘束の継続を避けられる可能性が高まるでしょう。
    また、定まった住居があり家族とともに生活している、定職に就いているなどの事情を弁護士が主張すれば、逃亡・証拠隠滅をはかるおそれが低いと判断されやすくなります。
    48時間以内での釈放も十分に期待できるため、逮捕されたら、まずは弁護士に連絡してください。

  2. (2)処分の軽減を目指したサポートが期待できる

    酒気帯び運転には厳しい刑罰と行政処分が定められています。
    直前に飲酒した事実はなかったとしても、二日酔い運転が酒気帯び運転とみなされた場合は、刑罰や行政処分を避けることはできません。

    ただし、罪を犯した事情や背景に照らして、規定されている罰則の範囲内で刑罰が軽い方向へと傾く可能性はあります。
    悪質なケースでないことを検察官に説得できれば、公開の裁判ではなく書面審理のみの略式手続によって罰金で済まされる可能性が高くなるでしょう。
    また、免許停止・取消の行政処分が下される前には意見の聴取がされ、交通違反を犯したことに対する弁明や反省を述べる機会が与えられます。
    弁護士が事情を説明して、本人にとって有利な事情を示すことで、処分が軽減されやすくなるのです

5、まとめ

二日酔いの状態で車を運転している事実が発覚すると、お酒を飲んでから時間がたっていても身体からアルコールが検出されて、「酒気帯び運転」として検挙される危険があります。
軽微な交通違反とは異なり、厳しい刑罰や行政処分の対象となるため、少しでも「お酒の影響が残っている」と感じたなら運転は控えるべきです。

アルコールの残留に無自覚であったり、無理に運転してしまったりしたことが原因で酒気帯び運転として検挙された場合には、ベリーベスト法律事務所にご連絡ください
交通事件の解決実績を豊富にもつ弁護士が、早期釈放や処分の軽減に向けた対応を行います。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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